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カンタン解説 電子カルテシステムとは(第7回:電子カルテシステムへの記録方法)

前回の「カンタン解説 電子カルテシステムとは(第6回):医師事務作業補助者=医療クラーク=の導入」では、電子カルテシステムの入力作業負荷を軽減するひとつの方策である医師事務作業補助者(医療クラーク)の導入について解説いたしました。
第7回目では、電子カルテシステムへのカルテの記録/記述方法について解説してゆきます

電子カルテシステムに適したカルテの記録方法

紙カルテ、電子カルテシステムの如何にかかわらず、カルテの記録方法には「SOAP形式」と「フリー形式」があることはご承知のとおりです。
近年の医学部では「SOAP形式の記録を基本的なスキルとして教育している」傾向にあると聞いています。
また、現在販売中の電子カルテシステムの多くは、基本的にはどちらの形式でも記録可能となっています。
それでは、電子カルテシステムではどちらの記録方法が適しているのでしょうか?

電子カルテシステムの特性から考えると…

電子カルテシステムは、紙カルテに比べて関係者同士(「医師~医師」「医師~コメディカル」)での情報共有が容易であることがひとつの特性として挙げられます。
逆に言えば「情報共有が容易なのだから、情報共有しやすい記録方法を選択する」ことが自然な流れです。
この観点から、電子カルテシステムでの記録方法については「SOAP形式」に若干の優位性があると云えます。
「SOAP形式」では記録内容が整理され診療の流れが明確になるため、関係者同士(「医師~医師」「医師~コメディカル」)での情報共有に適していると考えられるためです。

SOAP形式とは?

「釈迦に説法」となり誠に僭越ではありますが、以下のとおりです。
==========
【S(Subject):主観的情報】
患者の主観的な訴え(自覚症状=主訴)です。
【O(Object):客観的情報】
医師が測定や観察した患者の身体所見や検査結果などです。
【A(Assessment):評価】
S(主観的情報)とO(客観的情報)から導いた疾患の評価やその評価に至った考え方、すなわち「診断結果」です。
【P(Plan):計画】
A(評価=診断結果)に対する対応方針、すなわち「具体的な治療方針」です。
==========

■具体的な記録/記述例①:内科の感冒患者■
【S(Subject)】
昨日から喉が痛い、今朝から発熱した、咳が少しある、鼻水も出ている、食欲は少し落ちている、水分は摂れている
【O(Object)】
体温:38.2℃
血圧:120/78mmhg
脈拍:88回/分
咽頭:軽度発赤あり、扁桃腫脹なし
呼吸音:異常なし
迅速インフルエンザ検査:陰性
【A(Assessment)】
上気道炎(ウイルス性の感冒が疑われる)、 脱水の徴候なし
【P(Plan)】
対症療法(アセトアミノフェン500mg、3回/ 日)、水分摂取を促す、症状が悪化した場合は再診を指示

■具体的な記録/記述例②: 整形外科の膝関節痛患者■
【S(Subject)】
1週間前から右膝が痛む(特に、歩行時に痛みが増す)、過去に同様の経験あり(今回はなかなか痛みが引かない)、腫れぼったい感じがする、熱感はない
【O(Object)】
腫脹:右膝に軽度の腫れあり
圧痛:内側関節裂隙部に圧痛あり
関節可動域:屈曲120度、伸展制限なし
X線:関節裂隙の狭小化なし、骨棘形成なし
【A(Assessment)】
変形性膝関節症(軽度)、関節内の炎症が原因と考えられる
【P(Plan)】
鎮痛薬(ロキソプロフェン60mg、3回/1日3回)処方、過度な負荷を避けるよう指導、2週間後に再診を指示、痛みが続く場合はMRI検討

当然ながらフリー形式でも何ら問題なし!

当然のことながら「フリー形式」で記録することに何の問題もありません。
医師の好みや診療科によってはフリー形式が適している場合があります。
例えば、精神科や心療内科のように詳細な経過や患者の状態に関する自由な記録が重視される診療科です。

ポイント:SOAP形式 vs フリー形式

「SOAP形式」「フリー形式」それぞれの特長をまとめると以下の表の様になります。
いずれにしても、どちらかに片寄せする必要はなく、両者の「いいとこ取り」をして、バランス良く記録してゆけばよろしいでしょう。

SOAP形式 フリー形式
概要 ・S(主観的情報)、O(客観的情報)、A(評価)、P(計画)に分けて記録 ・自由にテキストを記録
関係者同士での情報共有 ・フリー形式よりも優位 ・SOAP形式には及ばない
データの活用(検索/分析) ・フリー形式よりも優位 ・SOAP形式には及ばない
その他メリット ・記録内容の標準化が可能 ・記録内容の自由度/柔軟性が高い
・医師の記録しやすさを優先できる
デメリット ・記録負荷が増加する可能性がある
・記録内容の柔軟性がフリー形式には及ばない
・記録者によって、内容にバラツキが発生する可能性がある
・記録者以外が内容の真意を読み取りにくい可能性がある
適した診療科/ケース ・内科/外科/小児科など、標準化が重視される診療科 ・精神科/心療内科など、経過や詳細な内容が重視される診療科
運用上の工夫 ・テンプレート(ひな型)化し、記録負荷を軽減させる ・必要最低限の記録ルールを定める

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現在の我が国が直面している人口急減・超高齢化社会において医療機関経営者が意識すべきは、まさに「医師と患者の強固な信頼関係の醸成」です。
その実現のためには、電子カルテシステムは極めて有力なソリューション(課題解決手段)です。
今すぐに、導入に向けて検討開始すべきです。
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多様なORCA連携型電子カルテシステムから、貴院のご要望に適したシステムをご提案させていただきます。
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