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Meister植竹のブログ

Meister植竹のブログ=Vol.9=

オーディオファンの皆さま。こんにちは。IDK Audioセンター長の植竹です。
植竹ブログ第9回目です。

出力素子「MOS FET」「LAPT」について〈前編〉

後期サンスイ製品であるαシリーズに採用されている2つのデバイスである「MOS FET」と「LAPT」を中心に解説いたします。
このテーマも多くのサンスイファンの方々が製品選定時に悩まれるもので、選定の判断材料のひとつとなっています。
評論家諸氏の影響もあり「MOS FET」を希望されるお客様は多いのですが、弊社の試聴機(MOS FETとLAPTを同機搭載した改造機)で実際にご試聴されると、お好みが完全に分かれる結果になることがとても興味深いです。
植竹ブログ第8回でも出力素子については少しだけ触れましたが、さらに深堀してみます。
「MOS FET」は高速動作に優れ、リニアリティが高く大変優秀な出力素子ですが、そもそも高価格であり、使いこなす上では特性のバラツキが大きく、複数個を同時使用するためには、選別して各素子の特性を合わせる必要があります。またアイドリング電流も多く発熱量が大きいのが特長です。これらの理由からサンスイは限定品やセパレートアンプにのみに「MOS FET」を採用したと考えられます。
一方「LAPT」は「MOS FET」に肉薄するリニア高速素子として開発されたもので、一般のバイポーラトランジスタを凌駕する素晴らしい特性を持っています。サンスイサウンドを実現させるキーデバイスとして「LAPT」は後期サンスイのスタンダードになっていきます。
それでは、また次回お会いしましょう。