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Meister植竹のブログ

Meister植竹のブログ=Vol.11=

オーディオファンの皆さま。こんにちは。IDK Audioセンター長の植竹です。
植竹ブログ第11回目です。

IDK Audioの標準オーバーホールについて〈前編〉

今回は、αシリーズを中心にIDK Audioで実施させていただく標準的なオーバーホールについて解説させていただきます。
山水電気(サンスイ・SANSUI)製品は最も新しい機種でも1999年発売ですので発売より既に四半世紀。αシリーズに至っては初号機が1986年発売ですので40年近い歳月が既に経過しています。
それでも新品で購入され現在まで故障せずに使われてきた個体は数多く存在しています。
これはサンスイ製品の基本設計が優れているという証です。
そして今も多くの個体が現存しえる理由は、回路が【ディスクリート(※)】で構成されているため、現在でも修理が可能であることです。
オーディオアンプは熱が発生します。
この熱による膨張収縮の繰り返しと経年により、弊社に入庫する修理品はほぼ100%で複数個所に「半田ラック」が発生しています。
これが故障の原因であったり、今後の故障が予見される部分となります。
弊社では主要部の半田打ち直しを実施し、今後の故障リスクを低減しています。
また、山水電気(サンスイ・SANSUI)のアンプは電解コンデンサを基板上で固定させるために「接着剤」を多用しています。
これが部品を腐食させ故障の原因になっている場合があります。
弊社では影響を受けている部品の交換と同時に基板上の接着剤を完全に除去しています。

(※)ディスクリートとは
英語で「個別」「個々の」と言う意味です。
半導体の分野では、トランジスタ・コンデンサ・ダイオードなどの単一の機能を持つ部品のことを指します。
電子回路の分野では、この単体機能の電子部品を使用して回路を組み立てることを指します。
同様に、オーディオ機器の分野での「ディスクリート回路」とは、集積回路(IC)や高密度集積回路(LSI)などの半導体素子を一括して組み立てた集積回路ではなく、上記の単体機能の電子部品(トランジスタ・コンデンサ・ダイオード)で組み立てられた回路のことを指します。