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Meister植竹のブログ

Meister植竹のブログ=Vol.7=

オーディオファンの皆さま。こんにちは。IDK Audioセンター長の植竹です。
植竹ブログ第7回目です。

山水電気(サンスイ・SANSUI)プリメインアンプAU-07シリーズの変遷〈後編〉

その後、山水電気(サンスイ・SANSUI)は、AU-αシリーズを発売します。
AU-α907/α707/α607 (1986年)からは、上記回路の熟成が中心になっていきますが、AU-α907i MOS LIMITED(1987年)で当時話題になっていた出力素子「MOS FET」を限定採用しました。
これまでの温度感が高い音質から高解像度でワイドレンジな音色への変貌は、当時のオーディオ評論家の評価も高く、実際にその音を聴いたオーディオファンを十分に納得させる銘機となりました。AU-α907i MOS LIMITEDの登場が、後に発売される製品群の「サンスイサウンド」を語る上での分岐点といえます。
少し話を戻します。
AU-X1 (1979年)では、当時最新だった出力素子「FET」の性能に迫るために、サンケン電気が開発したTO-3型(金属パッケージ)の「LAPT」を採用していました。セパレートアンプを凌駕する音質を実現して手応えを感じていたサンスイは、MOS FETではなくLAPTを採用するタイミングを計っていたと考えられます。
後に発表されるAU-α907L EXTRA/α707L EXTRA/α607L EXTRA(1989年)から出力素子に新開発した「新LAPT」を採用します。「MOS FET」に肉薄する高解像度を有し、そこにしなやかさが加わった音色はまさにサンスイサウンドです。
AU-α907L EXTRA/α707L EXTRA/α607L EXTRA以降は、限定モデルには「MOS FET」、スタンダードモデルには「LAPT」を搭載し、「後期のサンスイサウンド」の音色が決定づけられていきます。
それでは、また次回お会いしましょう。

MOS FET:Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor
LAPT:Linear Amplifier Power Transistor