【技術解説】Meister植竹のブログ Vol.40/コンデンサで音が変わる?
オーディオファンの皆さま。
こんにちは。
山水電気(サンスイ・SANSUI)DNAを正統に継承するカスタマーセンターIDK Audio、センター長の植竹です。
(IDK Audioについて、詳しくはこちらをご覧ください)
植竹ブログ第40回目です。
コンデンサで音が変わる?
オーディオの世界では、「コンデンサは音質に関係する重要部品である」と認識されています。
IDK Audioにメンテナンスをご依頼いただくお客様でも、コンデンサへの関心は比較的高い傾向にあります。
IDK Audioではサンスイが採用したエルナー製のシルミックを世界中から調達して、在庫がある限りオリジナルに近い状態で整備させていただいております。
しかし、コンデンサは使う場所(目的)によって音質変化の効果に差が生じるということを、今回のブログでご説明させていただきたいと思います。
真空管アンプや初期のトランジスタアンプは、回路の中に必ずカップリングコンデンサが挿入されています。
これは、動作状態が異なる回路同志をつなぐ役割や直流成分をカットする役割を担うためです。
このカップリングコンデンサは内部に信号が通過するため音質に大きく影響を与えます。
主にオイルコンデンサやメタライズドフィルムコンデンサが使われ、同じ種別のものでも構造や材料によりかなり音が変化するものです。
したがって、この当時のアンプ設計においてはコンデンサの役割は大きく、音のチューニングには必要なパーツでした。
1980年代以降の高性能なDCアンプ(AU-707以降)では、カップリングコンデンサは基本回路から無くなります。
フィルムコンデンサは周波数特性がよいので、イコライザー回路や発信止め、ノイズ防止に使用されますが、DCアンプは電源電圧の高い安定度が求められるため多くの電解コンデンサが使用されています。
先ほどのシルミックがこれにあたります。
電解コンデンサは他のコンデンサより容量(貯められる電荷)が大きいのが特徴です。
ただし、周波数特性はフィルムコンデンサ等には劣るため、この特性を活かして電源の平滑用に多く使用されています。
アンプ設計において電解コンデンサを選定する場合、その回路にかかる最大電圧の2倍以上の性能(その回路に必要な電流の出し入れから計算された必要容量の2倍以上)であることが設計のセオリーであると考えています。
これは、必要な性能の倍の余裕をもたせて設計されているということになります。
つまり、電解コンデンサの場合は扱っているのは信号ではなく、直流電圧ですので周波数特性はあまり関係ありません。
サンスイの場合は、「部品固定用接着剤の影響で端子が腐食している」「外観が変化している」「容量が抜けている」「内部リークを起こして回路が正常に動作していない」ということがない限り、これを交換してもカップリングコンデンサのように大きな音の変化はないと考えられます。
たしかに、オーディオ用の電解コンデンサはサイズも大きく見た目もよく作られています。
充電放電のスピードが速いほど優れたコンデンサといえます。
そのようなスペックは一般品と比較すると優れていると考えられますが、そもそも余裕のある電源設計が施されたサンスイの様なメーカー設計のアンプでは、どれだけその部分が音質向上に寄与しているかは技術的に説明は困難です。
先の説明の様にカップリングコンデンサは音が変わります。
『だから電解コンデンサも変わるはずだ!』という誤解とオーディオのロマンが高級オーディオ用電解コンデンサを生み出したのではないでしょうか?
内部に高級な電解コンデンサが整然と並んでいると、とても良い音がしてきそうな感じがします。
ですので、IDKは見た目も音に影響があるということを否定せずに、これらのオーディオのロマンを具現化させるために、内部と部品の景色を大きく変えないことにこだわり続けています。
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