【技術解説】Meister植竹のブログ Vol.49/オーディオに集中できた2026夏休み
オーディオファンの皆さま。
こんにちは。
山水電気(サンスイ・SANSUI)DNAを正統に継承するカスタマーセンターIDK Audio、センター長の植竹です。
(IDK Audioについて、詳しくはこちらをご覧ください)
植竹ブログ第48回目です。
オーディオに集中できた2026夏休み
夏といえばなんらかのイベントに参加したり帰省したりと、なにかと動くことが多い季節です。
しかし、今年の夏は家族がコロナに感染してしまい、外出制限のほぼ缶詰状態で過ごすことになってしまいました。
一方で、私は体調がすこぶる良かったため、看病と家事をしながら、いままで懸案事項だった自宅オーディオのノイズ低減にチャレンジしようと決意し、改善を試みました。
その懸案事項とは…
【真空管パワーアンプの残留ノイズ(ハムノイズ)をもう少し低減できないか?】
ということでした。
これまでは、音楽が鳴りはじめてしまえばあまり気にならなかったということと、直熱3極管なのでこんなもんかと思い込んでいました。
が…ある時、入力機器を接続するとノイズ量が変化することに気づき、『これはなにかある!いつかは対策せねば』と思案していたところでした。
原因はわかってしまえば単純なもので、真空管パワーアンプの3Pインレットのアース端子とアンプのシャーシグラウンドが接続されていたことでした。
対策はこのケーブルを切断するだけ。
CDプレイヤーなどの入力機器を接続するとパワーアンプまでそれぞれの機器のシャーシ電位が同電位になります。
ただし、その電位や内在するノイズ、ケーブルの長さでなどでインピーダンスも変化しているはずです。
これらによりノイズの流入先や出方が変わり、今回は電源の200Vダウントランスの誘導ノイズがパワーアンプのシャーシを介してハムノイズとして流入していたと考えられます。
ノイズ対策というものは厄介なもので、ここに至るまで試行錯誤の連続でした。
まずは上流から犯人捜しをしていきましたが、ケーブル入替え・交換・長さ変更、プリアンプグランドループ再確認、パワーアンプ入力感度調整、真空管交換等々。
ことごとくハズレでした。
最後に長めのスピーカーケーブルを使用して機器のシャーシ間を電気的に接続しながらノイズに変化が現れるかを確認していきました。
最終的に、パワーアンプとダウントランスのシャーシを接続すると、ハムノイズが増えることが確認でき原因の特定に至ったというわけです。
機器の設計思想によりグランド(基準電位)の考え方は様々です。
電源回路の整流後の平滑部(電解コンデンサ)のグランドを基準とし、そこにすべての回路のグランドを集めてそこからシャーシにつなぐ方法。
サンスイは入力端子近くのシャーシにすべての回路のグランドを集めており、さらにXバランス回路で入力からのグランド電位の揺らぎやノイズの影響を受けないように設計されています。
それぞれに考え方の違いはあれど、正解はないということです。
今回は、機器本来の性能が発揮できるように、それぞれの機器で最適化を図るということを蔑ろにしてきた結果で、常に問題意識を持って改善を厭わないという姿勢が欠けていました。
ノイズフロアは低いほど良いわけで、ここに問題があるとダイナミックレンジは狭まり、現代のデジタルメディア本来の音質・性能を活かすことができません。
そもそも真空管アンプを選択した時点でこの点には多くのネガを抱えてしまいますし、エアコンの動作音や外部からの音侵入、暗騒音などでどんどんダイナミックレンジは削がれていきます。
これではハイレゾどころではありません。
したがってできるだけノイズを減らそうとする努力が、特に現代のオーディオでは重要であるということを再認識させられました。
貴重な夏休みとなりました。
それでは、また次回お会いしましょう。
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