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メディカル事業部

カンタン解説 電子カルテシステムとは(第4回:電子カルテシステムの種類)

電子カルテシステムとは、従来の紙カルテ(診療録)をデジタル化して一元管理するITツールです。
私たちは「カンタン解説 電子カルテシステムとは(第2回):IDKが考える電子カルテシステム導入の『真の』メリットはこれだ!」でご説明させていただいたとおり、電子カルテシステムは「集患ツール」になり得るため、医療機関および患者にとって導入のメリットは大きいと考えています。
この記事では、電子カルテシステム全般について解説してゆきます。
第4回目は、「電子カルテシステムの種類」をご紹介します。

電子カルテシステムの種類-1(レセコンとの関係性で分類)

日医標準レセプトソフト(ORCA)連携型電子カルテシステム

文字どおり、日本医師会ORCA管理機構様が提供する日医標準レセプトソフト(ORCA)に連携する電子カルテシステムです。

日医標準レセプトソフト(ORCA)連携型電子カルテシステムの特長

株式会社IDK 画像医事会計システム(レセコン)機能は、ORCAを使用する形態です。
患者の基本情報(氏名/年齢/性別/住所/連絡先など)はORCA側で保持しています。
ORCA連携型電子カルテシステムとORCAが連携しながら、「受付→診療→会計→診療報酬請求」の一連の流れを処理します。
最大の特長は、レセコン機能一体型電子カルテシステムは異なり、レセコン部分(ORCA)が日本医師会ORCA管理機構様から極めて安価で提供されていることです。
このため、ORCA連携型電子カルテシステムの導入の総保有コスト(Total Cost Ownership)は相対的に低くなっています。
また、数多くのベンダーから多様なORCA連携型電子カルテシステムが提供されているので、各医療機関の要望に適したシステムを選択しやすい点も特長です。

レセコン機能一体型電子カルテシステム

皆さんご承知のとおり、レセコン機能と電子カルテ機能は『論理的には別々の異なる機能』です。
したがって、杓子定規に内部構造を踏まえた表現をすると「レセコン機能を内包し、同一のサーバ(コンピュータ)内にてレセコン機能と連携している電子カルテシステム」になろうかと考えます。

レセコン機能一体型電子カルテシステムの特長

患者の基本情報(氏名/年齢/性別/住所/連絡先など)も含めて、1つのDB(データベース)に統合管理されます。
レセコン機能一体型電子カルテシステムが単独で、「受付→診療→会計→診療報酬請求」の一連の流れを処理します。
最大の特長は、ORCA連携型電子カルテシステムと異なり、レセコンで活用するデータベース(DB)と電子カルテシステムで活用するデータベース(DB)がシームレスに共有される点です。
「シームレス(seamless)」=「継ぎ目のない/境界線がない」、転じて「レセコンと電子カルテシステムが、あたかも一つのサービスのように利用できる状態」=「機能一体型」という意味になります。

〈まとめ〉
◎日医標準レセプトソフトORCA連携型電子カルテシステムは、選択肢が豊富で総保有コスト(TCO)が相対的に低いが、レセコン機能と電子カルテ機能は別々のシステムとして稼働し処理を遂行する
◎レセコン機能一体型電子カルテシステムは、レセコン機能と電子カルテ機能はシームレスに処理を遂行できるが、総保有コスト(TCO)は相対的に高い

電子カルテシステムの種類-2(ITインフラの運用形態で分類)

オンプレミス(自施設への設置)型とクラウド型

ITインフラ(システム基盤)の構築および運用方法における主要な2つの形態です。
前述の「日医標準レセプトソフト(ORCA)連携型電子カルテシステム」も「レセコン機能一体型電子カルテシステム」も、それぞれ「オンプレミス(自施設への設置)型」と「クラウド型」が揃っています。

オンプレミス(自施設への設置)型とクラウド型の比較

一般的に、以下のようにまとめられます。

オンプレミス(自施設への設置)型 クラウド型
概要 自医療機関でIT資産を保有し運用する クラウドサービス事業者のIT資源を利用する
初期導入費用 クラウド型よりも概して高額 オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して低額
運用費用 クラウド型よりも概して高額
*人件費、保守費、電力などが別途必要
オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して低額
もしくは従量課金
導入期間
導入負荷
クラウド型よりも概して長期間、負荷大 オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して短期間、負荷小
スケーラビリティ
(拡張性)
クラウド型よりも概して低い オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して高い
運用管理負荷 クラウド型よりも概して大きい
*自医療機関で対応
オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して小さい
*サービス事業者が対応
セキュリティ対策
負荷
クラウド型よりも概して大きい
*自医療機関で対応
オンプレミス(自施設への設置)型よりも概して小さい
*サービス事業者が対応
セキュリティリスク クラウド型よりも概して高い オンプレミス(自施設への設置)型
よりも概して小さい
障害対応 自医療機関で対応
*導入ベンダーに対応を要請
クラウドサービス事業者が対応
運用責任
※1
全て自己責任 クラウドサービス事業者ごとのサービス品質保証(SLA)に基づく
遵守ガイドライン
(GL)※2
・「電子保存GL」+「安全管理GL」
もしくは
・「電子保存GL」+「3省2GL」(「安全管理GL」&「経産省・総務省GL」)
・「電子保存GL」+「3省2GL」(「安全管理GL」&「経産省・総務省GL」)

この比較表を評価すると、クラウド型は相当に魅力的です。
しかし、少しお待ち下さい。留意すべき点が2つあります。
1つ目は、*1の運用責任の部分です。
オンプレミス(設置)型の場合は、全て自己責任です。
良くも悪くも「自分でケツを拭けば」済みます。
ITに限らず何事につけても、日本では過去からこの考え方は長い間主流だった様に思います。
一方、クラウド型の場合は、サービス事業者ごとのサービス品質保証(SLA:Service Level Agreement)に基づいてサービス事業者の責任範囲が詳細に定められています。
このため、クラウド型を利用する場合には、SLAの内容の確認は必須となります。
SLAについては、この後簡単にご説明いたします。
2つ目は、*2の遵守ガイドラインの部分です。
ガイドラインは、「カンタン解説 電子カルテシステムとは(第3回):電子カルテシステムの主要機能など」でご説明させていただきました。
純粋な「オンプレミス(自施設への設置)型」であれば、「電子保存GL」+「安全管理GL」を遵守すれば充分です。
しかし、「クラウド型」や「オンプレミス(自施設への設置)型でありながら、データのみを外部保管している場合」などは、「電子保存GL」+「3省2ガイドライン」を遵守する必要があります。

サービス品質保証(SLA)とは何か?

サービス品質保証(SLA:Service Level Agreement)には一般的に以下の項目が含まれます。
**********
・サービスの定義と範囲
・サービスレベルの指標/目標値/達成基準
→可用性(クラウドサービスの稼働率)
→パフォーマンス(クラウドサービスの応答速度・処理速度)
→信頼性(クラウドサービスのエラー率・データ損失率)
→セキュリティ(不正アクセス、マルウェア対策、データ保護施策、インシデント対応)
→サポート体制(受付時間、解決目標時間)
・責任範囲
・損害賠償/補償
**********
SLAはクラウドサービス利用者とクラウドサービス提供者との間で、利用する(提供される)サービスの品質に関する合意を定める重要な契約で、これによって双方の権利と責任が明確化されます。
したがって、クラウド型電子カルテシステムの選定に際しては、電子カルテシステムの機能内容は勿論ですが、SLAの内容も充分に検討することが極めて重要です。
SLAには法的拘束力を持ちますので、内容確認においては貴院の顧問弁護士などに相談することも有効な手段となるでしょう。

〈まとめ〉
◎オンプレミス(自施設への設置)型は、「Heavy & Long」なイメージ
◎クラウド型は、「Lightweight,short & compact」なイメージで導入のハードルは相対的に低い

◎クラウド型導入の際には、SLAの内容確認が重要

電子カルテシステム導入のご相談は、ぜひIDKへ!

現在の我が国が直面している人口急減・超高齢化社会において医療機関経営者が意識すべきは、まさに「医師と患者の強固な信頼関係の醸成」です。
その実現のためには、電子カルテシステムは極めて有力なソリューション(課題解決手段)です。
今すぐに、導入に向けて検討開始すべきです。
IDKは日医標準レセプトソフトORCAの第1号認定サポート事業所です。(No.4201001)
多様なORCA連携型電子カルテシステムから、貴院のご要望に適したシステムをご提案させていただきます。
ぜひ、お問い合わせください。

 

 

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