カンタン解説 電子カルテシステムとは(第6回:医師事務作業補助者=医療クラーク=の導入)

私たちは「カンタン解説 電子カルテシステムとは(第2回):IDKが考える電子カルテシステム導入の『真の』メリットはこれだ!」でご説明させていただいたとおり、電子カルテシステムは「集患ツール」になりうると考えています。
第6回目では、電子カルテシステムの入力作業負荷を軽減するひとつの方策である医師事務作業補助者(医療クラーク)の導入について解説してゆきます。
医師事務作業補助者(医療クラーク)とは?
医師が行う事務的作業を、医師の代わりに実施する「医師事務作業補助者(医療クラーク)」
皆さまには耳馴染みのあることと思います。
医師の指示に基づいて、主に以下の様な業務を担当します。
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・電子カルテシステムの代行入力
・医療に関する文書作成の代行
・医療サービスの質を高めるためのサポート
・行政上の業務
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本記事では「電子カルテシステムの代行入力業務」にフォーカスします。
ご存知のとおり、残念ながら「医師事務作業補助体制加算」は無床診療所では算定することはできません。
しかし、加算は算定できずとも一定の導入効果はあるものと考えられます。
なお、医師事務作業補助者(医療クラーク)に必須の国家資格はありませんが、以下の民間資格があります。
日本医療教育財団:医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク®)
医師事務作業補助者(医療クラーク)導入のメリット
①医師の電子カルテシステム有力作業負荷が軽減される
診察時における電子カルテシステムへの入力作業を医師事務作業補助者(医療クラーク)が担当することで、医師は診療に専念することが可能になります。
②単位時間あたりに診察可能な患者数が増加する
医師の電子カルテシステム入力作業負荷が軽減されることで、患者 1人あたりの診察時間が短縮され、一定の時間内に従来よりも多くの患者を診察することが可能になります。
また、予約制の医療機関であれば、時間枠の調整が容易になり患者サービスが向上できます。
③患者満足度が向上する
医師の電子カルテシステム入力作業負荷が軽減されることで、PCモニターやキーボードを見る時間が減少し「患者の顔を見て会話しながら」診察することが可能になります。
結果として、医師と患者の強固な信頼関係が醸成され、患者満足度は向上してゆきます。
長期的には、かかりつけ医化/増患効果が期待できます。
医師事務作業補助者(医療クラーク)の業務範囲
医療事務作業補助者(クラーク)に担当させる業務を、医師の作業の効率化の観点から優先順位付けすることが必要です。
●電子カルテシステムの入力代行のみとするのか?
●診断書・紹介状などの医療文書作成補助も含めるのか?
など
医師事務作業補助者(医療クラーク)導入のデメリット・留意点
①人件費(固定費)が増加する
医師事務作業補助者(クラーク)を新規採用する場合は、当該スタッフの人件費(固定費)が増加します。
一方、既存の医療事務スタッフに研修を実施して医師事務作業補助者(医療クラーク)化する場合は、人件費(固定費)を抑制することが可能と考えられます。
貴院の経営状況を考慮した採用可否判断が必要です。
既存の医療事務スタッフの医師事務作業補助者(医療クラーク)化
貴院内でのOJT(On the Job Training)実施の可否が判断のポイントとなります。
電子カルテシステム提供ベンターにOJTを委託されても良いでしょう。
②診療フローの再調整が必要になる
医師と医師事務作業補助者(クラーク)の役割分担をあらかじめ明確にしておくべきです。
不明確な状態のままでは、かえって混乱を招く可能性が危惧されます。
また、スムーズな運用になるまでは一定の習熟期間が必要です。
③情報セキュリティ意識の向上は必須である
医師事務作業補助者(クラーク)は電子カルテシステムで、個人情報や機微(センシティブ)情報を取り扱うため、当該スタッフには厳格な情報管理の意識付けが求められます。
雇用契約書にも守秘義務に関する内容を明確にしておく必要があります。
ポイント:医師事務作業補助者(医療クラーク)導入の費用対効果
無床診療所において、電子カルテシステムを導入する際に、あわせて医師事務作業補助者(医療クラーク)の導入を検討することは、以下の観点で費用対効果を期待できる可能性があります。
増益(プラス)要因 | 減益(マイナス)要因 |
単位時間あたりに診察可能な患者数が増加する | 人件費(固定費)が増加する |
患者満足度が向上する (かかりつけ医化/増患効果への期待) |
電子カルテシステム導入のご相談は、ぜひIDKへ!
現在の我が国が直面している人口急減・超高齢化社会において医療機関経営者が意識すべきは、まさに「医師と患者の強固な信頼関係の醸成」です。
その実現のためには、電子カルテシステムは極めて有力なソリューション(課題解決手段)です。
今すぐに、導入に向けて検討開始すべきです。
IDKは日医標準レセプトソフトORCAの第1号認定サポート事業所です。(No.4201001)
多様なORCA連携型電子カルテシステムから、貴院のご要望に適したシステムをご提案させていただきます。
ぜひ、お問い合わせください。