カンタン解説 医療DXとは(第4回:電子カルテ情報共有サービス)

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して医療に関わる各種の情報を統合・活用し、医療提供の質の向上や業務効率化を図る取り組みのことです。
政府は医療DXを推進するために、「全国医療情報プラットフォームの創設」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」などを掲げ、2030年度までにデジタル化の本格的な導入を目指しています。
この記事では、政府の取り組みと上記の3つの柱について解説してゆきます。
第4回目は、「電子カルテ情報共有サービス」をご紹介します。
「電子カルテ情報共有サービス」とは?
電子カルテ情報共有サービスは、医療機関間で患者の医療情報を安全かつ効率的に共有するためのシステムで、令和7年度(2025年)に運用開始される予定です。
このサービスに接続するための技術的な情報がすでに開示されており、電子カルテ開発ベンダーでは準備が進められています。
このサービスは、患者の診療履歴や検査結果、処方情報などを電子的に記録・管理する電子カルテが連携するための基盤です。
電子カルテのデータを安全にやり取りすることで、患者が異なる医療機関を受診した際にも、医療従事者が迅速に必要な情報を閲覧できるようになります。
これにより、診療の重複や薬の過剰投与を防ぎ、医療の質を向上させることが期待されています。
このサービスは、患者本人の同意のもとで情報を共有することが大前提となっていまが、すでに運用が開始されているオンライン資格確認等システムのネットワークを活用するため、個人情報保護の観点からセキュリティ面も担保されます。
さらに、電子カルテ情報共有サービスは、医療機関だけでなく、薬局や介護施設とも情報を共有することで、地域包括ケアの実現にも寄与します。
これにより、患者の健康状態を総合的に把握し、予防医療や健康管理の強化が可能になります。
特に高齢化社会においては、慢性疾患の管理や在宅医療の充実が重要となるため、こうした情報共有の仕組みは、持続可能な医療体制の構築に不可欠です。
「電子カルテ情報共有サービスの4つのサービス」とは?
電子カルテ情報共有サービスで提供される具体的な4つのサービスは以下のとおりです。
1.文書送受信サービス(診療情報提供書を電子で共有できるサービス)
2.健診文書登録・閲覧サービス(各種健診結果を医療保険者及び全国の医療機関等や本人等が閲覧できるサービス)
3.臨床情報登録・閲覧サービス(患者の6情報を全国の医療機関等や本人等が閲覧できるサービス)…6情報は、「傷病名」「アレルギー情報」「感染症情報」「薬剤禁忌情報」「検査情報(救急及び生活習慣病)」「処方情報」
4.患者サマリー登録・閲覧サービス(患者サマリーを本人等が閲覧できるサービス
出典:厚生労働省
詳細は、厚生労働省の特設サイトをご参照下さい。