こんな時どうする? 電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)を修理したい〈第1回〉

「電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)」は、技術の発展に伴い大きな進化を遂げてきました。
世界初の「電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)」は、1897年に登場したブラウン管です。
その後、電子的に映像を表示する技術は劇的に発展し大きな進化を遂げ、産業や私たちの生活の分野にも深く根付いています。
この記事では、「電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)」に関するIDKの関わりを紹介してまいります。
第1回は、「電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)の進化」を辿ります。
電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)の進化
1897年:世界初の電子式映像表示装置(ディスプレイ装置)「ブラウン管」の登場
ドイツの物理学者カール・フェルディナンド・ブラウン(Karl Ferdinand Braun)が陰極線管(CRT:Cathode Ray Tube)を発明しました。
電子銃から電子ビームを発射し、蛍光体スクリーンに照射して発光させる仕組みは、後のテレビやコンピュータディスプレイの基礎技術となりました。
1940~1950年代:CRT技術の軍事利用と大型汎用コンピュータへの応用
オシロスコープ(電気信号の時間的変化を波形として表示する測定器)で用いられたCRT技術が、軍用レーダーや大型汎用コンピュータ端末に展開されてゆきました。
波形表示やリアルタイム信号解析のために活用され、CRTの実用化が進みました。
1960~1980年代:CUIからGUIへ/モノクロからカラーへ
1960年代には文字ベースのCUI(Character User Interface)CRTディスプレイが普及し、1970年代にはGUI(Graphical User Interface)が登場、さらにカラー化へと進化を遂げます。
また、Apple社はGUIとマウスを備えた「Macintosh 128K」を1984年に発表し、PC操作の新時代を開拓しました。
またこの時期、電卓や腕時計などの小型機器にモノクロ液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が搭載され始めました。
1990~2000年代:LCD技術の飛躍
ノートPCにモノクロLCDが搭載され、CRTディスプレイの後継として台頭してゆきます。
その後、カラーLCDが主流となり、CRTディスプレイの終焉が加速します。
また、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN:Super-Twisted Nematic)LCDに変わり、薄型トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)LCDが登場し、高精細なカラー表示が可能になりました。
一方、大型テレビにはプラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)が注目されました。高コントラストで広視野角という利点を持ちながらも、高製造コスト/高消費電力の課題を抱えていました。
2010年代~:LED/OLEDの普及
PCでは、冷陰極放電管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)バックライトLCDよりも薄型で省電力な発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)バックライトLCDが主流となります。
スマートフォンやテレビでは、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイが本格的に普及してゆきます。
この流れのなかで、PDPも衰退してゆきます。
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有機発光ダイオード(OLED)と有機エレクトロルミネッセンスダイオード(Organic Electro Luminescence Diode)は、基本的には同義
OLED:
一般的に広く使われている名称
発光層に有機材料を使用し、電流を流すことで発光するダイオードのことを指す
Organic Electro Luminescence Diode:
「エレクトロルミネッセンス」とは、物質が電気エネルギーによって光を放出する現象を指す
したがって、Organic Electro Luminescence Diodeは、発光現象をより正確に表した名称と言える
つまり、OLEDは有機EL素子や有機ELディスプレイを指す場合に使われることが多い呼称である
技術的な文書や学術的な文脈では、Organic Electro Luminescence Diodeという用語が使われることもあるが、一般的にはOLEDという呼称が普及している
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今後の展望:量子ドットやMicro LCDへ
OLEDの次世代技術として、量子ドットディスプレイやMicro LEDといった技術も登場しています。
ディスプレイのさらなる高精細/高耐久/低消費電力化が期待されています。
産業用機器への組み込み型表示装置(ディスプレイ装置)の障害でお困りの法人様
そのような事態に陥ってしまった場合、「修理の最後の砦」IDKにご相談下さい。
可能な限りご相談にお応えさせていただきます。
なお、その裏付けとなるIDKの修理技術や修理実績につきましては、最終回でご紹介させていただきます。