カンタン解説 医療DXとは(第6回:標準型電子カルテ)

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して医療に関わる各種の情報を統合・活用し、医療提供の質の向上や業務効率化を図る取り組みのことです。
政府は医療DXを推進するために、「全国医療情報プラットフォームの創設」「電子カルテ情報の標準化」「診療報酬改定DX」などを掲げ、2030年度までにデジタル化の本格的な導入を目指しています。
この記事では、政府の取り組みと上記の3つの柱について解説してゆきます。
第6回目は、「標準型電子カルテ」をご紹介します。
「標準型電子カルテ」とは?
電子カルテ情報の標準化と併行して、標準規格(HL7 FHIR…※1)に準拠したクラウドベースの電子カルテ(標準型電子カルテ)が整備されます。
令和7年(2025年)3月から、標準型電子カルテα版(試行版)の機能・使い勝手を検証し課題を収集、さらなる活用方策について検討するためのモデル事業が開始される予定です。
政府は、遅くとも2030年には概ね全ての医療機関において電子カルテ情報共有サービスとの連携完了(各ベンター開発の電子カルテもしくは標準型電子カルテ)を目指すとしています。
※1:HL7 FHIRとは
HL7 Internationalによって規定された医療情報交換の次世代標準フレームワーク
・V2(テキスト)
・V3(XML)
・CDA(V3の進化版)
・FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)
の4種類がある
FHIRは、特にWeb技術を利用していることから実装が容易とされている
「標準型電子カルテ」にはレセコン機能は搭載されるのか?
標準型電子カルテα版(試行版)では、先行的に日本医師会ORCA管理機構提供のWebORCAクラウド版と連携します。
最終的には、標準型レセコンシステム(共通算定モジュール)とも連携が予定されています。
※2:共通算定モジュールとは
診療報酬改定DXの施策で開発される予定の、診療報酬の算定と患者の窓口負担計算を行うための全国統一の共通的な電子計算プログラム
詳細は、厚生労働省の特設サイトをご参照下さい。